講師インタビュー(1)河合宗寛 〜体験活動ファシリテーター養成講座

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 体験活動リーダースアカデミーで開講している様々な講座の講師に、そのスキルを身につけたきっかけや印象的なエピソード、そしてスキルを学ぶことのメリットなどをお聞きする「講師インタビュー」。

 今回は、「体験活動ファシリテーター養成講座」をはじめ、「チームビルディング☆ファシリテーター入門講座」や「体験活動の~ふりかえり~講座」など、人間関係系の講座を担当する 河合 宗寛(かわい むねひろ) 講師です。

 「体験活動ファシリテーター養成講座」は、2015年10月~12月に初めて開講され、受講者の皆さまから「深い気づきや学びが得られた」「これからの方向性が見えた」などのご感想をいただき、大変好評でした。

 


 

■ 指導者である自分たちの人間関係を見つめ直すきっかけとなったファシリテーション

Q(質問者):ファシリテーションとの出会いについて教えて下さい。

A(河合講師):僕が、ファシリテーションに出会ったのは、冒険教育学校に務めているときのことでした。スタッフのトレーニングのために外部に講師を依頼して勉強会を実施しました。このトレーニングを通じて印象に残っているのは、ファシリテーションについて学ぶというよりは、ファシリテーションを活用しながら自分たちの人間関係について深く考えた時間であったことでした。

■ ファシリテーションがプログラム責任者としての成長にもつながった

Q:ファシリテーションに関する印象的なエピソードを教えて下さい。

A:当時僕は、年に1度約200人の中学生が参加する4日間の体験プログラムのディレクター(責任者)を務めていました。運営スタッフの中には経験の浅い人もいて、その指導力や安全管理力に不安を抱えていました。彼らがミスをしないように、スタッフの配置やプログラム運営の仕組みを考え、「こういう関わり方をして」と指示し、全体をうまく管理することに苦慮していました。プログラムが無事終了したときは、肩の荷が下りて安堵したものでした。

 ファシリテーションを学び始めて数年経った頃、大きな変化がありました。

 それまでハラハラしながら取り組んでいたディレクターという役割でしたが、この年は違いました。「みんな自由にやってよ、ケツは僕が拭くから」という気持ちでした。するとそこには、それまで見たことないようにイキイキと動くスタッフの姿がありました。もちろん参加者も。僕自身もプログラムが終わったときには、「みんなでがんばったなあ」という何とも言えない充足感に包まれました。

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 「管理」ではなく「信じて任せる」ことがよりプログラムの質と成果を高めることもあるのだということを学びました。同時に、それまでは管理しようとして、スタッフに窮屈な思いをさせていたということにも気が付きました。

■ ファシリテーションは、他者の成長を支援するだけでなく、自身の活かし方も学べる

Q:子どもの指導者がファシリテーションを学ぶメリットは何ですか?

A:最近青少年教育の場面では「教えない」や「見守る」といったアプローチが良しとされていますが、中には「手を出してはいけない」と窮屈な思いしている指導者もいるのではないでしょうか。以前僕に「こういう関わり方をして」と指示されていたスタッフのように。

 ファシリテーションを学ぶということは、関わり方の「手法」を学ぶというよりも、自己の在り方や他者とのかかわりを見つめることだと思います。指導者の教育観や人間観を育んでいくこともまた、ファシリテーションを学ぶ上で重要な側面です。これによって、子どもの成長を支援するだけでなく、自分自身の活かし方を学ぶこともできるのではないかと思います。

 

Q:ありがとうございました!

 


 

 プログラムディレクターという立場で、ファシリテーションのエッセンスを体験プログラムの中で実行してみることで、子ども達だけでなくスタッフものびのびと自由になり、しかも成果もついてくるというお話が、とても印象的でした。

 ただ、河合講師がそこまでに至るには、参加者の心が大きく揺れる「冒険教育」という体験活動の現場において、不断の「学び」と「内省」、そして「実践」の積み重ねがあったからこそ…ではないかと思います。

 一般的に合意形成をゴールとする会議やミーティングのファシリテーションとは異なり、「学び」や「気づき」あるいは「成長」を支援する体験活動のファシリテーターにとっては、「手法」よりも「在り方」が重要というお話も、大変納得のいくものでした。しかし、それを個人の力だけで実際に行おうとすると、長い時間と、見えない(答えのない)出口を求めて彷徨うような、試行錯誤の繰り返しを避けて通ることはできないようにも思います。

 もしそこに、案内役としての「ファシリテーターを目指す人のためのファシリテーター」がいれば、どれだけ心強くその困難な道を歩んでいけるかは、想像に難くありません。

 河合講師が担当する「体験活動ファシリテーター養成講座」「チームビルディング☆ファシリテーター入門講座」「体験活動の~ふりかえり~運営 講座」では、ファシリテーションの理論や考え方をわかりやすく解説いただくと同時に、受講者自身がワークやディスカッションなど多くの「実践」を通じて指導者(=ファシリテーター)としてのあり方を存分に探求できる貴重な機会を提供しています。

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